第16回 好きやねん大阪カメラ倶楽部 例会報告 今月のテーマ 大判、中判、蛇腹カメラ
〇 照生氏
Kodak Retina Ⅱa
Rodenstock Retina Heligon F2 50mm
Nikon F6 50mmF1.4
3か月ぶりにカラーペーパー現像作業いたしました。
雷現象が発生しました、あまりにも見事な現象なのでご披露いたします。
2Lの発色現像・漂白定着其々の旧薬に200ccの新薬、現像液追加方式、いわゆるウナギのたれ方式ですね。
旧薬の入れ替えをした35℃湯煎タンク現像です。
見事に芸術的な作品数葉です。作品を持参しました。
漂白定着液はそのままです。
改めて考えると廃棄した後のタンク内の汚れが大変酷く液には何やら小さなゴミが浮遊していました。これが雷現象の原因と判明いたしました。
今後はタンク清掃と浮遊物濾過について考えてみたいと思います。
今回も使用しました手作りのタンク現像用印画紙挿入かごを持参しましたのでご披露いたします。

蛇腹カメラは数台しかありません。今日の持参カメラは 蛇腹のMAMIYA 6
レンズはマミヤセコール、ピント合わせはご存知バックフォーカシングです。

〇 Rose-Thorn氏
持参カメラ
1、ビトーⅡ 1950(昭和25年)24×36mm判
カラースコパー50mmF3.5プロンターS B,1~1/300 X 重量440g
レンズ内にカビがあるのでクリーニングしたいのですが、レンズの外し方が判りません。
フォクトレンダーのカラクリはいつも難しいです。外し方知っている人はご教示ください。
2、ベッサ―66 1948(昭和23年)6×6判 中央部に折畳式ファインダー
バスカー75mmF4.5 プロンターS B,1~1/300 X 重量530g
レンズ コーティングあり
3、ベッサ―66 1948(昭和23年)6×6判 外部に透視ファインダー
ヘリヤー75mmF3.5 コンパーラピッド、T.B.1~1/500 520g
レンズ コーティングなし
巻き上げは窓に1を出し、あとはオートストップ、撮影枚数表示されます。
ベッサは軽いのが取り柄です。
ヘリヤーの75ミリはこれしかありません。
4、スーパーベッサ―Ⅰ 1936~48?(昭和11年~23年)6×9判
ヘロマー105mmF3.5 コンパーラピッド、T.B.1~1/400 700g
レンズ コーティングなし
このレンズもカラー発色がクリヤーで大変良い。軽くて使いやすい、
ちなみにベッサⅡは900gもある。

〇 オモカメ王国国王3ちゃん
昔むかし、写真館に行きますと、デーンと存在感たっぷりにアンソニーが大きな土台に乗ってありました。
そのアンソニーの撮り枠、この大きさですが(とても大きい撮り枠ボード)、ところがこのままのサイズで写すのではなく、一部分を使って小さい撮り枠で写していたりしています。
大型と言うことで、フジのTVレンズキャップ。まるで芸人のお盆みたい。(3ちゃん100% ?)
ソ連製 6×6版一眼レフ キエフ60 ボルナ2.8/80 ペンタコン6のような中判カメラ。
シャッターが軽い、ブロニカよりよっぽど軽い。今は調子よく動いています。
手札 木製暗箱一式、木製三脚をベースにワンタッチで取り付けられます。
ピント確認に、モデルさんを持ってきました?
写真の本 他

〇 ひ~さん
今日はマミヤC3を持ってきました、重量級の二眼レフです。
繰り出し量が大きくて、8cmレンズで最短35cm、レンズの前からわずか10cm程度まで寄れます。
C3はとても重いのですが、今朝三宮まで出かけて、C22を購入しました、こちらはかなり軽量になります。C22は軽くて使いやすいと知り、調べると三宮に出物があると知ったものですから。。。
マミヤC3(1962年)
重量2kg、セイコーシャッターS B,1~1/500
レンズ ビュー、テイキングともに8cmf2.8
最短撮影距離 8cmで35cmまで、105cmで55cmまで。
二眼レフは1948年ジュニアというタイプより始まる。
初期モデルにはコミナー7.5cmf3.5を装着したモデルもあり、その後Dズイコー7.5cmf3.5のモデルもあった。
その後1958年マミヤシックスオートマット型に自社製セコール7.5cmf3.5を装着。
特色
・レンズ交換式、レンズロックアームはピアノ線を使用
・ラックアンドピニオンによるレンズ繰り出し機構
・フィルムの平面性の高いストレートフィルム走行
マミヤフレックス C プロフェッショナル(1957)
マミヤフレックス ポリフレックス(1957)
マミヤフレックス C2プロッショナル(1958)
マミヤフレックス C3プロフェッショナル(1962)
マミヤ C33 プロフェッショナル(1965)
マミヤ C330 プロフェッショナル(1983)
C330プロフェッショナル標準装備の105mmf3.5DSタイプとなりビューレンズに絞りが付き被写界深度の確認ができる様になっている。

〇 ひでじぃ
今日持ってきましたのはこの2台。
コダック シグネット35 アーミー エクタ―44mmf3.5
同 市販タイプ
アーミーは先月の例会後、大阪写真会館パトロール中、4回の鈴木特殊カメラさんで発見。
久しぶりに物欲がざわめき、自宅に戻ってから電話で予約、仕事のついでに立ち寄り手に入れました。
フードが付いているのですが、銀色なので、アーミーの黒に合わせてみたいです。
市販タイプのシグネットはよく写し歩いていました。
アーミーは整備してもらってから、いっぺんフィルムを入れて写してみたいと思っています。

〇 SH-K氏
ICA:イカレッテ
レンズ:Novar f6.8/75mm
ノバ―f6.3/105mmで写した桜の写真の写り具合を見ると、桜の周りのハロや、背景のグルグルボケが、とても気に入った
気に入ったので調べてみると、ツァイスからノバ―レンズはいろいろ出ているのを知り、
それでノバ―付きのカメラを探したところ、ICA イカレッテを見つけた。
イカという名前はいかにも可愛い。見るとレンズは75mmという。
持っているレンズは105ミリだが、これに付いている75ミリレンズは使いやすそうだと思い
ebayでスエーデンの人が出品していたのを落札。
Fuji XT10に押し当てて2~3枚撮影したが、結果は期待通りとはいかず。
ま、スウェードセラーとのやり取りが面白かったので満足している。

〇 yasu氏
今日は蛇腹カメラを持ってきました。
KODAK Retina №118です。
エヴェレスト初登頂に成功したイギリスのエドモンドヒラリー卿エヴェレストに持参したカメラ(オリジナルレチナ レンズはテッサ―3.5)
私が持参しているのは同じオリジナルレチナですが、ヒラリー卿のものはタイプ117、117に二重露光防止装置が追加された118モデルです。
オリジナルレチナでは珍しいコダック アナスティグマート付き(こちらのほうが少数派?)
このカメラの入手はこの会で今井商店さんからリーズナブルに購入しました。
自作のショートレリーズが自慢、取り付けたままでレンズボード格納可能!

〇 MT派氏
持参カメラ:Gōerz Autofok-Tenax Dagor 120mm f6.8 9×12
Vest Pocket Kodak
書籍:愛されるベス単
初めで最後になるでしょうが、大型カメラというので、9×12のゲルツ オートフォク テナックス(フルセット)に手を出してしまいました。もう大型には手を出さないでしょう(ほんと?) 目当てはやはり120mmのダゴールです。
レンズのシリアル番号を調べてみますと、1907年頃の製品だとわかりました。Compurシャッターは1912年から発売と言うことでこのカメラについているレンズシャッターには銘が入っていないのですがデッケルの製品なのだろうか?
ちなみにAutofokuはボタンを押すとレンズボードが自動的に飛び出し、撮影できる状態になるというものですが、このカメラは錆だらけで自動的に出てきません。
暫く観賞用にして、飽きたらレンズが外される運命になるでしょう。
前回例会に、憧れのVest Pocket Kodakを今井商店から入手し、翌月単玉レンズを取り外しソニーα7に付けて撮影してみました。うわさ通りの写りでとても嬉しかったです。
そして、「愛されるベス単」を入手して学習、もう少し古いモデルのほうが良いと。。。
その結果ebayで最前期(SN.36414/推定1914年、フード穴11.25mm)のツル単を求めてGet!手元に届いてみると…
側面の底板割れ、フィルム装填側の蓋を外すのも閉めるのも大変な苦労!本革蛇腹内外にカビ汚れが酷く、無造作に畳まれ単玉レンズの前も後もネバネバ汚れ。。。
気持ちが落ち着いてから根気よく歯ブラシに洗剤をつけてシャッター以外のすべてを水洗いしました。そして蛇腹を伸ばして革用クリームを塗り、高温の車内に数時間置き、クリームが吸収されたら再度塗りを数回作業を繰り返し、無造作に折りたたまれた跡は徐々に整え折り目に沿って丁寧に畳んで数日後、100年前の青春が少し蘇りました。
しかし、蛇腹だけがきれいになっても意味はなく、今度は蛇腹がぼろぼろのもっと古い(SN29703、11.25mmフード、裏蓋にLock/Open文字無し)をさらにGet。
青春の蛇腹を移植しよう!と思っているのですがまるで蛇腹のために働いているような感じです、病気ここに至れりです。

〇 ミモヤングレビッチ
先月25日、お江戸に潜入していましたが、どこから私の潜入情報が漏れたのか、お巡りさんが町中にあふれかえって警戒に当たっている。メリケンの大統領が来てたんですね。

ホースマン プレス
以前に買っていたものですが、ベースボードのタスキの片方のブラケット部分が折れている難あり品、そのうち修理しようと画策中、このままでもガタもないので写してみるのも良いかも。使い方知りませんけど。(会員の皆さんから、批難ごうごう)
プレスの写真は、MT派氏持参のベス単レンズ+ソニーα7にて撮影。
かめら薀蓄はなし
〇ゴルツの会社とカメラについて
明治以前からドイツで光学メーカーとして設立、
当初は眼鏡、双眼鏡、顕微鏡を作っており、カメラは後になってから製作し始めた。
ドイツのカメラメーカーは基本はボディメーカーで、レンズはメイヤーやツァイスなど、レンズ専業メーカーから購入して装着していた。
その中で、ゲルツ、リーチェル、フォクトレンダーの3社は、自社製レンズを自身のボディに搭載していた。(リーチェルは後程アグファに買収される)
外国ではレンズの評価はあまりしないのだが、日本では昔からゲルツのダゴールと、ツァイスのプロターは人気があった。
ゲルツで有名なカメラと言えば、クラップ型カメラのアンゴー。
アンゴーという名前がなぜついたかというと、アンシュッツの“アン”とゲルツの“ゴー”を合わせて造語された“アンゴー”
フォーカルシャッターを最初に開発したのはオットマー アンシュッツで、オリジナルの幕には“オットマー アンシュッツ”の印が入っている。
レンズのダゴールは、当初ダゴールという名前は与えられていなかったのだが、
ドッペルアナスティグマット(ダブルアナスティグマット)の“ダ”にゲルツの“ゲル(ゴール)”を合わせて作られた造語(ダゴール)。
他のレンズ名は、何かしら語源がありそこから名付けられているが、アンゴー、ダゴールともに全くの新語になる。
タッセン テナックスの変遷
シャッターはギロチン→コンパウンド(空気シャッター)→リムセットコンパ―組込みと変わっていく。
前板も アルミ製、のち真鍮製に代わる。
ギロチンシャッターは音がたいへん静か。絞りは差し込み絞り。
レンズはドグマ―の4.5が普通だが3.5付きもある。
この時代によく似たカメラでブロックノートというカメラがある。
タッセン テナックスは名刺。
ハンドカメラは最初に出たのは手札判。
タロー テナックス ダゴール付き(中級機、手札判のみ)
マヌホーク テナックス ダゴール付き (高級機、名刺と手札判)大変良い革と蛇腹を使っている。トロピカルタイプもある。
ゲルツの撮り枠は革貼りで大変良い仕上がり。
ドイツは戦争に負けるなどでマルク安や、インフレで在庫過多から新品を一度放出のち買戻し、中古機(新古品)として販売したりしたので、この当時には、日本に安く入ってきていた。
リンカイオスコープ
リンカイオ=独“広角”の意味。
キャビネより大きい案箱に広角レンズとして使われて、回転絞り。
八つ切りや四つ切の乾版に、集合写真を写し込んでいた。
周辺の落ちをなくすのに、中心部に羽根をつけたものがハイペルゴン

来月の例会開催日は7月13日土曜日 テーマは ”カメラ付属品” かなりコアな話題なので、何でもありになりそうな予感。