第386会大阪手作りカメラ例会・・・白髭


今年の三月12日の会長です。私の撮影した一番最後の会長の写真でした。
このクラブを設立された岡部会長が10月7日に亡くなられました。丁度前々回の例会の前日に亡くなられたわけで我々が今まで知らなかったことを寂しく思っています。
取り敢えず私・・・白髭・・・が司会を担当して岡部会長のご冥福を祈り黙祷を捧げました。

次に急遽次の会長職を担う人を選ばなければなりません。いろいろと話合いの末に暫定という名目でH井さんが会長を引き受けて頂くことになりました。また会計にはK林さんが担当して頂くことになりました。
前会計のU田さんから2016年度の会計報告があり全員で承認しました。会計の事務引き渡しも終りました。
これからH井会長体制のもとで長く楽しくこの会を発展させて行きましょう。
なおブログの担当はしばらく私白髭が引き受けることになりました。独断と偏見で楽しく面白く運営しますが文句のある人とはいつでも交替OKです。
発表の順番を忘れましたので順不同で紹介します。
五十肩がまだ治らないY場さんはピカピカの「ライカM3」を見せて頂きました。15年前の2001年11月に入会した直後元会員のN口さんから安く譲ってもらった時はボロボロガタガタでした。それを会長の紹介でS木カメラでこれまた安く修理してもらったものです。会長に教えてもらって東急ハンズで張り皮を購入し自分で採寸・現物合せで大変苦労して新品同様になりました。会長の思い出と共にいまでも宝物として大事にしています。レンズはルサール20ミリF5.6にツァイスの21ミリ用ファインダーを取り付けています。フードは適当に探しましたが多少蹴られるようでなんとか直したいと思っています。


私白髭は「瓢箪カメラ」を披露しました。瓢箪に窓を開けて中にコンデジのキャノンIXY2.1を取り付けました。我が家の豪華応接室に置物として飾り訪れた客人と共にリモコンで記念写真を撮影しようという趣向です。客人に知られずに盗撮することも考えられます・・・という前文はさておいて・・・。私が通っていた市の園芸教室は年に一度の発表会に自分で作った瓢箪を加工して作品にすることになっています。 他の人びととは目先を変えてカメラを使った作品を出したのです。瓢箪にきれいな窓を開けて削って磨いて塗装するというのも結構難しいものでした。カメラを固定したのは陶芸用の粘土です。私の好きな島崎藤村の詩「初恋」を書き込んで「初恋カメラ」として出品しました。


大病後歩くときに杖が話せないY田さんはその杖と共に「パールⅡ」を発表されました。小西六が制作したセミ判カメラの名品です。しかしこのカメラは亡くなられた会長が修理・改造したカメラとして貴重なものです。修理の際にはパールⅢの部品を使っているそうです。会長の思い出と共に大事にして行きたいカメラです。また高血圧で体調が悪く杖が手離せないとのこと。田舎の知り合いのお金持ちオバサンが博物館からオルゴールを数台買い取ったそうです。大変貴重なもので高価なものだと吹き込まれて大金を払って購入したそうです。修理をしたいのでなんとかならないかと相談を受けて調べたらあにはからんや大した代物ではなかったという面白い話も聞かせて頂きました。


永井荷風学者でおられるK樹さんは今回は珍しく断腸亭主人とはまったく関係のないものを持参されました。最近はレンズ清掃にチャレンジを初めてその作業されたレンズです。引伸し用の「ミノルタCEロッコール80ミリ」です。白く曇ったレンズ内部を分解してきれいにしようとしました。ところがなかなか部品が外れてくれず単車用ドライバーをトンカチで叩いてなんとか取り外しました。おかげで多少後部金属には傷がついたものの清掃に成功したそうです。これで吾輩は修理の天才であると自分の能力を見なおしたようです。その他「ツァイス85ミリレンズ」や「シュナイダー360ミリ」も手がけましたが大成功でした。下手をするとレンズ破壊につながる作業だけに自分の天才的な能力を誇っています。

いつも中古カメラやレンズ・部品を運んできて安価で譲って頂いているI井さんはライカステマーのダミーカメラであるロシア製の「フェドステレオカメラ38ミリF3.8」を発表されました。35ミリフルサイズの画面を縦位置ハーフサイズ二枚に撮影してステレオ写真にするわけです。二つのレンズの間隔が立体感覚を生み出します。ただこの特殊レンズを外して普通のレンズを取り付ければ当然横位置の35ミリ画面を撮影できます。ファインダーには正規の35ミリ画面用のファインダーがあってその前にハーフサイズの枠を付けてあります。ステレオでない場合にはその枠を持ちあげればいいのです。サイズはライカそのもののようでよくあるソ連製のダミーそっくりさんの内の一台だと思われるそうです。手にとってみてもライカそのものでとてもダミーカメラとは思えない出来上りでした。












わざわざ名古屋から遠征していただいているローライ名人の Rose-Thorn さんはゴーモンステレオ&パノラマ6×13cm版・ダゴール 75m/m F6.8 付を発表されました。あのエッフェル塔が登場した1900年のパリ万博でグランプリを授賞した珍品カメラだそうです。その上にロールホルダーを自作してブローニーフィルムを使えるように改造されたそうです。またライカやローライの部品を利用してソフトレリリーズを自作して使用できるようにしています。ステレオテナックス4.5×10.5cm版にマミヤプレス6×9cmのロールホルダーを改造して合体させました。無限遠のピントが出るように繰りだしアームを改造してあります。またこのままでは不安定なので固定台を木造で自作しました。これが一番難しい工作だったようでロダンの椅子と名づけられました。


暫定ではありますが新会長を引き受けていただいたH井さん。この会を一新してますます発展させていただけることを確信しています。発表されたものはShewXIT英国製です。1898年(明治30年頃)のもので当時のポケットカメラ(通称アルミニウムジット)として売られていたものです。木製でアルミニウムで飾られた美しいカメラです。当時の服のポケットはずいぶん大きなものだったようです。ユニカムシャッターですがレンズは不明です。クラップ・タイプのカメラは1896年頃(明治28年頃)フランスで作られたものです。キャビネ判でレンズはクラウスプロターでソロントン型シャッターを紐で引っ張ってセットする面白い仕組みです。




忘年会は行き当たりばったりの飲み会となりましたが運よく席もとれて新会員のM脇さんを含めて9人の盛会でした。亡くなられた会長の思い出からこれからの会の運営についてなどの話題で大変盛り上がりました。

