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「人間の尊厳」・・・白髭

時には写真の本の話でも・・・。
「林典子」というまだ三十二歳のフォトジャーナリストの「人間の尊厳」という本を読みました。すごい本です。 (岩波新書)
カメラマンとしてではなくボランティアとしてガンビアに行っているうちに写真に目覚めてその後リベリア・カンボジア・パキスタン・キルギスなどに行ってフォトジャーナリストとして活動し世界でいろんな賞を受けています。

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この本は写真集ではありませんが以前書店で「キルギスの誘拐結婚」という立派な写真集を立ち読みしたことがあります。恐ろしい話なんですがそれをものすごく美しい映像に撮影しているのが面白いのです。

誘拐されて犯人の祖母から結婚を迫られるキルギスの女性です。
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キルギスでは既婚女性の30~40パーセントが誘拐結婚しているといいます。その実情を長期間密着して取材しています。ほとんど見知らぬ男性とその兄弟家族に誘拐されて家に連れて来られその家族全員に結婚を迫られるのです。

あきらめて結婚して幸せになる女性もいますがもちろん大半は不幸な人生になります。逃げ出して成功する女性もいますが首を吊って死んでしまう女性もいます。またそんな結婚を常識として認めている国民性もあるのです。難しい問題ですが淡々と報道しています。

新聞カメラマンのようにわっと事件現場に押しかけて時間に追われながら取材してさっと引き揚げるという報道ではなくて 対象に密着して何カ月もかかって対象との知り合った上での取材ですから内容も濃いものですし彼女でなければとても出来ない仕事です。

硫酸で顔を焼かれて病院へ駆け込んできた少女です。
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パキスタンやその周辺の国では侮辱されたと思った男性が若い女性の顔に硫酸をぶっかけるという事件が多発しています。パキスタンの農家では洗剤や農薬として硫酸を使うことが多くて簡単に手に入るのだそうです。

硫酸をかけられて悲惨な顔になった女性に密着して取材しています。しかし加害者の男性は大した罪にならないのが普通なのだそうです。恐ろしい話ですが淡々と描写しているところがすごいのです。

母をHIVでなくし自身も感染している男の子と祖母です。
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カンボジアでHIVの家族に同居したりして長期間取材しています。一旦日本に返っても再びやってきてその後を取材するのです。二度目には母親が無くなっていて子供と祖母だけでなんとか生きているのです。

その場所は私が遊びに行ったカンボジアのアンコール遺跡のすぐ近くだったので驚いています。内戦で苦しんだ国にはこんな問題も残っていたのです。観光に行った自分とは大違いで恥ずかしくなりそうです。

私は図書館で借りましたが1040円と安くて薄い本ですから立ち読みも出来ます。書店を訪問した折は覗いてみることをお勧めします・・・・・白髭。
by tedukuricamera | 2015-03-03 10:59 | 手作りカメラ | Comments(1)
Commented by push-pull at 2015-03-06 17:55
初めて知りました、中央アジアの国ってそれぞれがソ連から独立しましたが凄いですね、殆ど知識が無いがウクライナ情勢を見ても宗教上の争もそうだが理解範囲を超えております
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