第337回 大阪手作りカメラクラブ例会
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さて今回が第337回となりました『大阪手作りカメラクラブ』例会、まずはI井さんご提供による即売会から。ジャンクを中心に珍しいもの多数、もってけドロボウ!
中にはかなりレアなものからかなりアレなものまで...欲しい方には堪えられません。
続いて本題はまず来月の忘年会の場所について。いろいろな意見が出ましたが最終的に多数決により心斎橋・『うどんちり本家 にし屋』の寄せ鍋等のコースということで決定!カメラのナニワの並びのちょい向こうです。
「ワシはうどんすきは嫌いや」と残念そうな会長...いえ、実は私もです。うどんなんか鍋なんか、ハッキリせえ!というところでしょうか。
続いて会員の研究発表、今月のお題は『フォーカルプレーンシャッター』です。フィルム面の直前の焦点面(Focal Plane)に幕状のシャッターがあるものが該当するということですが、ギロチンシャッターは焦点面ではないので該当しないとか、アレはどうでコレはどうで...けっこうこのへん内部構造を知らないと判断が難しいようですね。
まずはいつもと逆順でH井さんから。先月のお題『ビッグカメラ』で持参する予定だったという英・ソーントン・ピッカードの「デュープレックス・ルビー・レフレックス」を紹介。
明治37、8年ごろのものらしいですが幕が調子悪かったので整備していたのだそうです。ポストカード判でクックのレンズつき、これはユニット式で交換可能になっています。
木目に金属の細工が美しい立派な一眼レフで、いわゆるソーントン・シャッターなんでしょうか、シャッタースピード1/1,000秒まであるそうです。
続いてH井さんお持ちの中では?最小の一眼レフとして"The Westminster camera house"とカメラ屋の名称?が書かれた黒のシブ目のカメラ。
レンズ交換式ながら合うレンズが手に入らず、たまたまI井さんのところに転がっていたテーラーホブソン製レンズをニコンのマウントリングを加工して取り付けたとのこと。見事なハマリ具合です。
続いてレポーター優先で私・jackです。お題絡みではペンタックスのS3、同じM42で金属幕のプラクチカMTL3を持参。
所有カメラはほとんど一眼レフばかりなのでフォーカルプレーンは選び放題ですけど、中でもこのS3は自分と同い歳の1961年発売、初めて完全自動絞りとなったオートタクマーつきの記念碑的一品です。
続いてハッセル用70mmマガジンからついに航空用フィルムにまで手を出してしまい、パターソンリールに改造パーツをつけて70mmフィルムの自家現像までこぎつけた話。手前の物はハッセルのカットフィルム用のカッターだそうで、スリーブに入れるときに使えるかなと入手したものです。直角にスカスカ切れるのはさすがスウェーデン製といったところ。結構珍しいものだそうですが使い道がいまさらカットフィルムなの?とか何とか...
その他東京出張の際に『新宿西口クラブ』なる怪しいカメラ好きの集まる秘密結社(笑)と交流を持った話、ロモグラフィーの蛇腹カメラ新製品Belair X 6-12を予約注文した話などを紹介。
続いてI井さん。理研光学工業(現・リコー?)製のリコールmod.1、ゴコク・アナスチグマット50mmつき、ライカと書いてあるニシキヘビ調革巻きの金色メッキ仕様カメラ、謎のスピグラもどきカメラなどなど珍品を紹介。
こちらは一見スピグラのように見えてリンホフのボディ、グラフレックスのレンジファインダーなどなど寄せ集めて合体させた誰かの手による手作りカメラ。
そしていわゆる円カメのひとつ。円カメは本来おもちゃですが、これはジャバラがタスキで伸びるという凝った作りのもの。非常に程度がよくマニア垂涎の一品です。
こちらはメイドインジャパンと書いてあるもののAFは動かないという謎の「Phenix」製レンズ。
そしてご本人掲載希望のキヤノン製65mm F1.0レンズ、会員の推察ではX線カメラ用?とか。重い!
続いて期待のK林さん。小手調べはスポルトから。単なる板が上に上がるために巨大なミラーボックスがついているという摩訶不思議な構造。内部構造にまで言及するのはK林さんならではですが、それにしてもソ連が本当に作りたかったのはコンタックスではなくこれだったのではないかという曰く付きの一品、K林さん好みですな~
続いてキエフ10、けっこう有名なカメラですがこれのシャッターがまた変態。
こちらも内部構造を理解するためにわざわざ部品取り用のものを買うという懲りよう...4つのゼンマイ駆動で6枚の扇状の金属ブレードが動く?という驚きの構造。複雑すぎて調整できず、手持ちでまともに動くのはこれ一台とのこと。
これで終わりかと思いきや、続いてコンタレックス。こちらも中身持参で構造解説。めちゃくちゃ頑丈なものの構造が複雑で調整ができないため修理屋泣かせの一品。毎晩やってもひと月半、仮組みして動くようになるまでがすごく大変だとか。
それにしても毎回毎回何台も持参するこの情熱、頭が上がらないですけどあまりの重さにバッグのベルトが切れて往生したことがあるとか...それ、やりすぎですから!
お次はお天気予報官・Y尾さん。ニコン派?のYさんにしては珍しくキヤノンEFを持参。高速側がメカニカルガバナー、低速側を電子シャッターにするというハイブリッドシャッター、F1のボディに「コパルスクエア」を搭載したもの。
コパルスクエアはエフシー製作所を起こした茶谷さんが踏切の遮断機を見て発明した「茶谷シャッター」をコパルが量産化したものだそうで、その後関係が悪化して裁判沙汰になったのは有名な話。
続くH本さんは今回発表なし。
お次はN口さん、ライカIcを持参。露出計も距離計もないシンプルな構造で自分の歳と同じ物をということで購入したとか。
もう一つはNEX用にネットで購入したインターバルタイマーキットを紹介。非常に安いのですが赤外線リモコンの使える機種ならほとんど使用可能なスグレモノです。スイッチサイエンスで売ってるコレかな?
実は数日前にgugu-gammo氏から微速度撮影したムービーのCDが届いたのですが、ああいうのが撮れるということですね。
続いてマイスターK本さん、D800を買うつもりの予算ン十万でラジオを買ってしまったということで発表なし...どんなラジオなんだろう???
お次はK田さん。カワセミ狙いで天体望遠鏡をカメラにつけて撮っているという話を紹介。全長1mのレンズで5m先?のカワセミはさすがに追っかけるの大変でしょうね。
続いて白髭さん、トリガー付きが特徴的なキヤノンV(ゴ)Tを持参。キヤノン50mm F1.2つきでレンズが重たい割にはボディが軽いので若干操作しづらいんだとか。
K林さんによればボトムグリップをつければ操作性は向上するそうですが、白髭さん曰くピントリングを操作するのに持ち替える必要があるのであまり連写向きではないと。
続いてN川さん。今回は10年越しのパーレット用ジャバラの設計に傾けた情熱を熱く語るの巻でした。
『男は愛するパーレットの蛇腹を何とかしたいと10年以上悩んでいた。以前クラブ例会で何度か取り上げられた蛇腹自動計算機のサイトを利用してみたものの、最後の折り返しの幅が合わなくてこれではボディに収まらない。男は最適値を割り出すため試行錯誤を繰り返し、最終的に途中から幅を変えた蛇腹を自力で設計したのだった。』(BGM:中島みゆき『地上の星』で決まり!)
お次はpush-pullさん。フォーカルプレーン機としてはベッサRを持参。また先日来NEXでいろいろ遊んでいたツケでセンサーが汚れてしまったためSONYの修理窓口にクリーニングを依頼した話、キヤノンIXYを修理しようとしてもめた話を紹介。聞いていると窓口のおねーちゃん目当てで通っているらしいフシが...?
今日はATCで先輩の展示会の撤収を手伝っていたとか。いただいてきたという彫刻があまりに見事だったので掲載いたします。そのATCにたむろするコスプレおねえちゃん達の写真って気になりますね~
続いてミモパワM本さん。仕事で高知へ行き、高速バスで旅費を浮かしつつ、キタムラやハードオフへ寄った話を紹介。高知はキタムラ発祥の地だそうで。カメラは道中持ち歩いたライカとペンタックスK2を持参。
今日はI井さんからアスカニアという距離計らしいもの?を買ったそうですが、焦点距離がなく深度目盛りがあるという不思議な一品。
その他、メイドインコリアのQTIIとだけ書かれたメーカー名のないKマウントの70-210mmレンズを紹介。キャップにはFOCALと書かれていたそうですが、メーカーなんでしょうかねえ。
最後は会長・キューちゃん。典型的なフォーカルプレーン機として昭和の初め、1929年ごろのホースデルビーを持参。
その他中古のニコマートをバラして取り出したコパルスクエアのユニットを持参。取り出すのはなかなか大変だったそうです。
シンプルなリンク機構の動きを見ていると、つくづくうまいこと考えたものだなあと感心するのですが、最初にアイディアを考えついた茶谷氏は偉大だったけれど訴訟費用が底をついて負けてしまったというのは酷い話ですねえ。最初からお金がないのはある意味幸せかも~
このあと例会は心斎橋・白木屋での二次会へ。ちなみにここの店名は「シロキヤ」ですぜ。いつも気になっているのですが...そりゃどうでもいい?
※以上、文責・写真はjack、カメラはSONY DSC-RX100を使用。

やはり、写真が例会の模様をリアルに再現しているので、次の例会には必ず出席したいと考えていることと思います。
ボランティアでの会報作り本当にご苦労様です。

ぜひ次回!