第326回 大阪手づくりカメラクラブ 例会
N島さんの司会で始まりました326回例会、まずは会長・キューちゃんの挨拶。ブログを見ている人が多い割にコメントが少ないので積極的に書きこむようにとのお言葉でした。
最初は検討課題から、来年度の毎月の例会テーマを協議し、1月は「スプリングカメラ」となりました。また333回となる7月例会は恒例の食事会とし、テーマも一番当クラブらしい「手作りカメラ」となりました。他は後ほどPUSH-PULLさんがまとめてくださる予定です。
続いて、今回欠席のT岡さんから費用の足しにと寄付された物品をH井さんの司会でセリにかけることとなりました。珍しい手作りカメラや古い写真関係書籍などが次々と競り落とされていきました。収益金5,050円は志納金として会費の補助に充てられることになりました。
ここで忘年会幹事PUSH-PULLさんから時間と場所についての説明。つぼ八が無くなってしまったため今年は例会二次会はあちらこちら彷徨い歩くことが多かったのですが、最近は白木屋に定着したようです。夕方4時台から開いてる居酒屋って少ないんですよね。
さていよいよ会員発表。今回のテーマは「ロシアカメラ」でした。基本事項を予習していったのですが、ロシアは基本的に工場ごとにそれぞれマークが付けられているのでどの工場で作ったかが分かりやすくなっていますね。ま、どう読むかが悩みますけど、レニングラードとかベラルーシとか地名が元になっているのでどの辺にあるかも比較的分かりやすいです。
例えばあのLOMOも、実はレニングラード光学機械企業の略だったりします。ZはZavodで工場の意味ですから、KMZはクラスノゴルスク機械工場と言われても理解できます。一部BelOMOがベラルーシ光学機械企業で元はミンスク機械工場MMZだったとか発展の過程で企業としての名称に変わったものもあるようです...というウンチクはこちらのサイトにて。→ http://cccpcamera.photo-web.cc/
トップバッターはまたまた?私jackです。所有カメラでは唯一のキエフ60を持参。
例によって初めにレンズがあり、後からボディを探していて見つけたジャンクを直したものです。このキエフ60は初期のキエフ6Cでは左にあったシャッターボタンが右に移されましたが、実はメカ的には左のままで内部のリンクで動かしているという曲者です。他にも巻き上げレバーの中心がオフセットしていたりと謎な仕様も多く、コマ送り不良など顕著なトラブルを上げればキリはありません。同じモデルの改良型がARAXブランドで現在も売られており、レンズ付きで3万円台という信じられない値段で買えます。
歴史的には元々軍事工場であるアーセナルがカメラ生産をするようになったのは大戦後に連れて来られたカールツァィス・イエナの技術者の指導によるものだそうで、実は技術力はあなどれなかったりするのかも知れません。撮影サンプルを持参しましたがイエナ製MCフレクトゴン50mmF4専用ボディとしてとても気に入っているものです。わざわざウクライナから取り寄せた純正ストラップがのびたパンツのゴムのようでも、新品のTTLファインダーが暗くて使いにくくても、それもまた個性...
続いてK林さん。誰かとかぶるかなと遠慮しつつ4台持参。
とても珍しいスポルトはH井さんとかぶったので後述。同様に珍しいスタートは58mmF2つき、恐らくビオターのコピー。ファインダーが交換式になっているんですね。シャッターボタンが前面に、しかも変な方向に大きなボタンになっているのは厳冬期でも厚手の手袋をしたまま操作できるように、ということでしょうか。
バスフォートは縦位置専用デザインで、連動露出計付きながら視度が合わないため目の前でちらつく指針が鬱陶しいそうです。ドルークはライカマウントの35mm。ちょっと高級っぽいもののシャッターが無理やり一軸になっているため、スロー時に巻き上げ損ねると故障する構造になっているとのこと。
アルマスはソ連最後の高級一眼レフ、というものの露出計もホットシューもついておらず、シャッター音もどこか安っぽい。露出計はつける予定だったのに挫折したらしく、ファインダー交換式なのに交換できるファインダーがないという残念仕様。なぜかレンズはペンタックスKマウントになっているとのことです。後ろにあるのはオリジナルの元箱!だそうです。
K本さんは発表なし。
そして白髭さん、ライカ型のゾルキー4?を持参。
以前メプロゼニットを持っていたが壊れてしまい、分解したものの元に戻らなくなって現在はこれだけとのこと。たぶんゾルキー4だと思うのですが、前面にロゴも何もないのは珍しいような...
T城さんは山ほどある中から3台を持参。
フェド・ザリヤはLマウントの26M 50mm F2.8つき。これでフィルム100本ほど撮ったそうです。プラスチック製のスメナ8Mは買った当初ひび割れして光線漏れしていたのを直したとのこと。
ロモのミニター1はアニメ「けいおん!」で登場人物が使っているということで手に入れたもの。トイカメラながら電磁シャッターを使っているという話。
N川さん、久しぶりの参加ですが実は先月結婚したのでしばらく来れなかったとのこと。結婚早々に奥さんに病気が見つかったそうでお大事に&お幸せに~
N口さんはなぜかバラバラの部品を持参。
部品の正体はキエフ303、ミノルタ16をコピーしたらしく中身はまったく同じだそうです。
昔流行った二台並べてステレオにするためにバラしたままになっているとのこと。
もう一台はメオプターのステレオ35。斜め送りのためにコマサイズに比較してボディが大きく、フィルムカッターとマウント一式が揃っている。シャッター速度は1/50しかない。35mm一本で72セットのステレオ写真ができるがマウント代がかかる、といったお話でした。
yasuさんはフェド・ザリアのグレー色の軍用仕様、銘レンズ・ルサール付きを持参。戦場ライカみたいでカッコイイとベタ惚れのようですね。
もう一台はゾルキーになんとキャノン25mmつき。元はジュピター3をつけてきたが黄疸症状が出ている。OTOTOさんのタブレットが異常をきたすほどの放射能が出ている?
新井さん、デジカメを持参したがメディアが入っていなかった。皆既月食を撮ろうと1500mmの望遠をつけようとしたがボディが干渉して取り付けられなかったという話。テレコンをつければ干渉しないが、2倍で3000mmは画面からはみ出すのでは?というのは先の写真の通り600mmでもこんな大きさですから...
N波さん
自宅を探したらチャイカとフェドが出てきたので、とフェド5Bを持参。フェドにはサクラカラーのわいわいワイドのレンズ!が付いているとのこと。
もう一台持参したのはFinetta。調べてみると旧東ドイツのゴスラーにあったFinetta-Werkで1949-1957ごろに作られたModel IV Dのようですね。フィルム送りとシャッターチャージを兼ねているそうで、開けてみると110カメラのような不思議な作りでありました。
秀じぃさん
しばらくお休みでしたがもう体調は問題なく、サハラ砂漠へ旅行してきたとのことで砂漠の砂をお土産に持参。カメラはチャイカのI型とII型、これはレンズが外れるようになっていて、引き伸ばし用に使うのではないかという話。
もう二台はロシアのスメナ2とうり二つの中国製の華山。華山はA野さんも見たことがないという代物で、中国でコピーされたものらしく作りも粗雑、シャッター周り内部にはあるべきものがなかったりするという恐るべきカメラだそうです。
続いて会長・キューちゃん。ライカマウントのピント検査用アダプターと50mm付きのフェドを持参。
アダプタはピントが来ているかどうか、中古レンズを買うときに重宝するとのこと。以前とてもきれいな田中光学製レンズを買った時、このアダプタにはついたがライカボディには奥まで入らず使えないことがあったとのこと。
フェドのレンズはピントリングが途中で止まってしまう残念仕様だったため、キヤノンのレンズ部品を組み込んであるそうです。
H山さんは中秋の名月を撮った時の話、最高裁判所から裁判員候補に選ばれた話を紹介。
400mmに二倍のテレコンをAPS-Cデジイチにつけて換算1200mmとしたが、露出3秒でかなり動いていたとのこと。フルサイズに600mmでも15秒であれだけですから無理もない話かと。
続いてM本さん、フェドを持参。
レンズはジュピター3 50mmF1.5の黒鏡筒つき、シリアルから割と最近のもののようですね。
他にもキエフ88を所有しているが友人の結婚式に持っていったところプロと間違われたそうです。(すいません、後ろの方よく聞こえなくて...)
PUSH-PULLさん。まずは仕事用のパソコンがまた壊れたらしい話から。HDDは壊れていなさそうでしたがどうやらビデオカードが壊れているっぽいですね。
持参したカメラはゾルキー4とキエフIIa、キエフにはContaxのゾナーがついているものの、ピントダイヤルの滑らかさなどのフィーリングがなんかこうゴロゴロしていてライカなどと比べて違和感があるそうです。
そしてH井さん、スポルトとキエフ88、それとロシアカメラのガイドブックを持参。このガイドブック、回し読みしましたがいろいろな種類の各モデルが網羅されていてとても分かりやすい!ロシアカメラファンならぜひ持っておきたい?ものです。
キエフ88は元のハッセルコピーであるサリュートあたりが一番良くできているが、取説の紙が臭うなどあった。最近は取説もよくなっているそうです。随所にハッセルを倣ったらしいところが見られるものの、レンズとボディの連動機構が弱いものが多いそうで、良い奴悪い奴がはっきりしているのがロシアカメラの特徴だそうです。
スポルトは24x38mmという変形サイズのフィルムを使い、ダブルマガジンでフィルムをセットするタイプです。
縦送りの金属板シャッターがあるためボディ上部に出っ張った箱があるのが特徴的。レンズは交換できるようなバヨネットマウントになっている。貼り革の質が悪いなど欠点は多いもののK林さんによれば現在でも十万前後はするそうです。当初幻のカメラとして百万ぐらいしていたのが、今では時々見かけることができるらしいですね。
S川さんは先日来島海峡?へ行った時の話を披露。先輩にベルトを掴んでもらって船から半身乗り出して撮ったものの、まともに撮れたのがほとんどなかったとのこと。
用事で遅れてきたのはI井さん、6台のカメラを持参。
A型ライカによく似たカメラはK林さんによると存在しないシリアルで、土産物用として作られたタイプではないかとのこと。ゴールドのキエフも同様に珍しいものではあるのですが、中古をリファインしたものか作り直したものか、動作も悪くないそうです。
その他バスフォートはK林さんと同じものでしょうか。AGAT 18KはベラルーシのBelOMO製トイカメラ、LOMOと同じようなタイプですね。距離計も露出計もなく電池もいらないようですが、レンズはツァイスのコピー品という説もあるようで解像感、描写力はかなりのものらしいです。
さて、今回もN島さん発表はなしですか?完全に飛んでたような...ということでみんな大好きロシアカメラでした。何でもあり的な豊富なバリエーション、手に入れやすい価格、それでいてそこそこ性能もよく、しかし作りが雑でトラブルが多く手間がかかる点もかえって魅力になっているようですね。
そして忘年会、ご覧のとおり大盛況で大いに盛り上がっておりました。ちょっと狭かったりしましたが飲み放題で鍋がセットされていたにもかかわらず意外と安かったとか...?
それではまた来年、カメラを語りましょう!ということで。どうぞ良いお年を~
追伸:前に顔出しNGという話があり、しばらくは極力出さないできましたが説明中の様子などとてももったいないので不自然に首から下だけにトリミングするようなことはやめました。ブツだけでなくこれらの人がいてこその手作りカメラクラブですから!ということでお許しを...
レポート有難うございます&お疲れ様でございます
巻頭の会長のピシッと伸びた右手が、コメントにぴったりです。
キエフ88のおかげで、式場の下見の際に迷惑がられずに存分にロケ出来ました。
やっぱりカメラは押出しですね
というお話。
あと腕章が有れば完璧?