第328回大阪手作りカメラクラブ例会
今回のお題は『ニコンF(1959年)以前の一眼レフ』でした。最近のTV、新聞、雑誌等への露出が功を奏したか、三名の方が見学する中での例会スタート!
トップバッターは会長、キューちゃんから。
一眼レフは一台も持っていないということでインターネットで調べた一眼レフの歴史を紹介。
そして前回のレポートにあったオッパイカメラ。プリモフレックスの撮影レンズにヘリコイドを取り付けたもの。いつもの通り一番値が張るパーツはライカのファインダー。プリモフレックスのレンズが6x7をカバーしないので、ハート型のマスクを作ったとのこと。
あとは某家電量販店でベルト式の現像タンクを買おうとしてえらく困った話を紹介。店員の勘違いからベルト式でないものが届いたことに始まり、最終的には製造メーカー(キング)から物が届いたと。まあ販売店さんも大変だなあと。
なぜこのタンクを買うことになったかというと、件のオッパイカメラで撮ったフィルムを現像するためということでした。早く作例を見たいものです。
続いてK林さん。
現在の一眼レフの基礎になったと言われるエキザクタでもキネエクザクタの第3バージョン、1937年ころのものながらシャッター幕もオリジナルで最初から非常に調子のいい個体。前面にフラッシュ用のシンクロ端子とロックの穴があり、すべて操作系が左利きになってるのが特徴。ボディの中では右にあるメカをロッドで左側にボタン類を持ってきているという変わり種だそうです。戦前・戦中・戦後とすべてのモデルを所有している中でもこのモデルがいちばん作りが良い。
続いてプラクチフレックスの戦後型、1947年のKW製。戦前型はクイックリターンではなくエバーリターンでボタンに連動してミラーが上がり下がりしているぽいとか。マウントがM42になる以前のM40、ピッチ1mmになっているのが特徴。
そして1950年頃のALPA-REFLEX II型。面白いのが一眼レフのくせに連動する距離計が付いている点。さらに面白いのがミラーを上げて固定できるところ、これは沈胴式のレンズをつけるときにミラーを上げて収納するためで、実際にはミラーを上げずに収納しようとすると壊れる仕掛け...このへんがK林さん的ツボか。
このALPAは実はジャンク同然で手に入れたもの。さらに後日手に入れたジャンクボディを見ると、ほぼすべてのパーツがステンレスのプレスでできており、ネジの締め具合で歪んでしまうため巻き上げができなくなったりするデリケートなものだそうです。
さらにもう一台、ライカM39スクリューマウントを採用した一眼レフ、イギリスのペリフレックス。マウントの真ん中にペリスコープ(潜望鏡)がせり出してきてピントを確認できるという驚異の仕組みながら、そこから光がジャジャ漏れなのだそうです。さすがはK林コレクション!
次はわたくし、jackです。
古い一眼レフはもっていないですが、鈴木特殊カメラさんで300円で買ったブロニカETRの645マガジンを改造して針孔写真機を製作中。元々マガジンは改造してあり、聞いてみたらやはり会長の手によるものの放出品でした。蛇腹は以前折り方を開発してテストして試しに作ったものを流用、針穴は作ってあるもののシャッターをどうするか?タスキは?と考えるのが楽しいです。
続いて白髭さん。
まずは会計報告として創始メンバーS川さんの一年間休会のお知らせ。手術される予定とか。
持参したのは仕事でさんざん使ってきた(使わされてきた?)ニコンF。今見たらシャッターがおかしく、いずれ調整しようと思いながら10年...現役で活躍中はニコンの方が毎月新聞社へ直しに来ていたそうです。
次は月城さん。
古い一眼レフは持っていないとのことで先日のテレビ放送の件。嫁さんに見せたいという話でしたが、あれは残念でした...一番手作りらしいカメラを持ってきてまでコメントした約2名、ばっさりカットされてましたからね~やっぱり故障した時消えてたんじゃ?
そしてN川さん。
ゼニットを持参。ミラーは紐で吊ってありシャッターを切るとブラックアウトするモデル。M42と同じフランジバックのライカマウントで、やっと見つけた交換レンズはなぜか37mmという中途半端な焦点距離。昔はゴロゴロしていたが最近は見つからないとか。
続いてH井さん。
今回は趣旨が違うかもと言いながらビューティーレフレックスのI型(1954-56年ごろ?)を持参。いえいえ、中判というだけで古さは十分でございます。巻き上げのテンションを調整しようとして部品が壊れてしまい、直せずにいたものだそうです。
ドイツのレフレックスコレレのコピー機で、レンズマウントも互換性があるそうです。ついてるCanter(カンター)レンズは会社が神田にあったから、とか社長夫人がてい子さんなのでテイコーという名前を付けたとか、なかなかユニークなメーカーだったようです。
次はH本さん。
一言「ありません」ってそれはないでしょ~?という感じで自転車の話を。月城さんは半年で8,000キロほど走るそうですが...
そしてN波さん。
以前に作ってこられたマミヤ改造機『マミヤ・フジコ』の作例を発表。蛇腹が壊れたマミヤシックスにフジカシックスのレンズをつけたもので、蛇腹部分はペンタックス6X7のフードを固定しているが、バックフォーカシングシステムのおかげでちゃんと無限も出てしっかりと写るそうです。
続いてPUSH-PULLさん。
持参したのは違うタイプのエキザクタ。2回フィルムを通したものの、そのまま使わなくなって使い方を忘れてしまったとか。しかしフィルムカッターが付いていることも気がつかなかったとなるとちょっとねえ~
次はお天気予報官Yさん。
ハッセル500C/Mを持参、厳密には500CがニコンFと同時期になるかどうかというあたり。クロームのプラナー80mmつき。レンズはセレクトさんで入手、北海道のコレクター所有品だったものだそうで大変状態がよいです。私もほしいです~
ハッセルの製造番号については私もちょっと調べたのですが、「VHPICTURES」の順で数字の1234567890が割り当てられており、製造番号の頭二文字で製造年が判るようになっているというもの。例えば私の500C/Mは製造番号RC、つまり85年製でY尾さんのUH、71年製より新しいのですが、あちこちに違いが見られました。
YASUさんもエキサクタを持参。
...すいません、いつの間にか終わってて撮りそこねました<(_._)>
そしてひでじぃさん。
今日初めて棚から出してきたという展示専用?のスタンダード・エキザクタ(通称・ベスト・ポケット・エキザクタ)を持参。オーバーホールしてもらったというそのボディは機械加工がとても素晴らしく、クロームメッキが大変綺麗です。ベスト版なのがちょっと残念ですが、バヨネットマウントでレンズ交換できるのはオーナーもご存じなかったそうで...
続いてM本さん。
先日会長の出演した『探偵!ナイトスクープ』の内容に異議があると。子供のタレコミでカメラ好きのおじいちゃんがいるということで会長宅に取材が来る、というストーリーでしたがあんな子供おらへんやろ?と。確かに~
その他近鉄カメラ祭りの取材の件も、近くまで用事できていたのでレポーターの水島サトリさんが来ていると聞いてたら絶対行ったのに!ということでしたが...やっぱりコアなファンがいるようですね。
持参カメラはペンタコン・スーパーのつもりだったが実家に置いてあったのでキヤノンフレックスR2000(1960年製)を紹介。
ここで月城さんからいい忘れてたということで、オリンパスOM-Dの試用レポート。自分の手にはちょっと小さいと感じたものの悪くないというような話でした。
今回はI井商店さんもお見えにならないので終わりかと思われたその時、N口さんが3つ重なったスケジュールを縫って登場。今回一番の珍品ではないかと思われるコンタックスのコンタメーター付きのステレオター一式セットを持参。
自分の所有品ではないけれど、知人が持ち腐れになるといけないのでと貸してくれたもの。作例を撮って返さないといけないのだそうですが、これだけ揃ったものは本にも載ってないのではないでしょうかね?ネットで調べたらどうやら所有者らしき方のサイトにたどり着きました。O崎さんですかね?
しかしアイディアいっぱいの仕組みもさることながら、工芸品のごとく磨きこまれた部品類、そしてそれを収める革のケースといい、とても素晴らしいものです。思わず拝んでしまいました(笑)
最後はS川さん。名前を書いてなかったので発表の指名してくれないと言われてもしょうがいないですよね~
以上、記録とレポートはjackでした。次回はライカおよびライカ型カメラということですので、また珍品・銘品何が出てくるでしょう、お楽しみに!
なお、今回の写真はすべてこちらのwebアルバムにありますので、二次使用は会員限定とさせていただきますが大きいサイズで見るとか煮るなと焼くなとお好きにどうぞ。
※今回使用カメラ:SONY α900+TAMRON A09